1941年 ★★
少産ではあるが、戦時中としてはまあまあ良好な年。このごろでは、めったにお目にかからない。
1942年 ★★★
良好な年だったが、戦時中のためよく知られていない。まだ良い場合もありうるが、飲み切った方が良い
1943年 ★★★★
低温と頻繁な降雨が開花を阻害した。ウドンコ病の被害も出た。特にコート・デ・ブラン地区。しかしながら、非常に良く、当たり年。フランスの他の伝統的ワイン生産地より成功したことが際立っていた。ほとんどが熟成する前に飲まれてしまった。
1945年 ★★★★★
芽吹きは早く、続いて4月に降霜、むずかしかった開花。摘果は9月1日より早々と開始。収穫量はとても少なかったが、最高級の品質のぶどうを収穫。長寿で優雅なワイン。保存状態が完全なら絶品。
1947年 ★★★★
古典的銘醸年。ぶどうは大変早く6月に開花。8月中は、記録的日照時間。理想的状態で驚く程健康的なぶどうを収穫。収穫量は少ない。ソフトな果実味にもかかわらず、実に長もちする。
1949年 ★★★★
収穫量が少なかったので収穫後も楽観を許さなかった。開花期間は長く難しかった。その後、特別乾燥した夏になって悪条件は改善された。大変な当たり年だが、現在は、色は淡く黄色がかっていて発泡性に欠けるが、どれも最上の年代物。もちろん貯蔵方法によって差が出る。
1952年 ★★★★★
全体的にみて、しっかりしていてバランスが良くとれたスタイルの良いシャンパン。いまだに探す価値あり。ボランジェはまさに完璧。
1953年 ★★★★
寒さがしばらく続いたが、夏の気候は満足できるものだった。52年にくらべると、しっかりした点と上品さにやや欠けるかもしれないが、全体的にバランスのとれた魅力的なワイン。しかしながら今は、もう盛りを過ぎて久しい。無理も無い話しだが、もうごく僅かしか残っていない。探し出す価値はある。
1955年 ★★★★
とびきり素晴らしい当たり年。5月にひとしきり霜がおりた以外は、年間を通して好天に恵まれた。過小評価されている当たり年。この年のワインは、低温の地下蔵で保存されていれば、まだ惚れ惚れするような味。盛りは過ぎたが、楽しいワイン。
1959年 ★★★★★
当たり年。4年間不作の続いた後の豊作だったから当事1950年代での最高の年とみなされたし、現在よく飲まれている。まだ、数十年は品質を維持し続けるだろう。極上の堂々とした酒の古典的明醸ものは、成熟したワインが好きな人にとっては、いまだに幸福を与えてくれるだろう。
1960年 ★★
当たり年ではないが、ノン・ヴィンテージ用のストックを必要とする業者には歓迎された。
1961年 ★★★★
ボルドーの赤の1961年が傑出していたおかげで当初からこの年は人気が出た。長ければ長いだけ良くなるというものでは無いが、もし貯蔵状態が良くて最上の状態だったら素晴らしい。この年のドン・ペリニョンはこれまでに造られた中で最高とされている。
1962年 ★★★★
ワインは品質にバラつきがなく、良好。辛口で果実味の多い興味のある出来映え。まだ、おいしく飲める。
1963年
ひどい天候で貧弱な年。ヴィンテージものはない。
1964年 ★★★★★
とびきり素晴らしい当たり年。大物のヴィンテージ・シャンパンにとって壜熟がいかに重要かということを悟らせる年。最適な期間は8年から10年、あるいはそれ以上。熟成し、果実味のあるシャンパン。61年より洗練さに欠け、62年より優雅さに欠けるが、スケールが大きく、より熟成していて、まろやかなワイン。保存状態が良ければ、上物はまだ飲みごろ。ただ色の深み活力には欠ける。サロン・ル・メニルはとりわけ秀逸。
1965年
悪天候が収穫を台なしにした。不作年。
1966年 ★★★★
大変な当たり年。再三の悪条件にもかかわらず、1966年のしっかりして、優雅で、完璧なバランスの優れた品質のスタイルの良いシャンパンが出来た。ボランジェやクリスタル・ブリュットといった高級品以外は盛りを過ぎている。
1967年
収穫期のひどい悪天候が、広範な腐敗を引き起こした。ヴィンテージ宣言なし。
1968年
ひどい天気の悲惨な年。
1969年 ★★★
まあまあ良好な年。水準よりやや酸味のかかった香りの非常に高いワイン。最高の飲みごろは1970年代後期から1980年代初期にかけて。クリュッグ社のような極上ものだけは興味本位を越す新価を発揮している。
1970年 ★★★★
71年ものより均整はとれていないが、かなりいけるしっかりしたワイン。ボランジェ・ヴィエイユ・フランセーズが壮麗な耐久力をもつこの年の絶好の見本。
1971年 ★★★★★
爽やかで、やせぎすだが、スタイリッシュできびきびしたワイン。洗練されたシャンパン。トップ級のものは、まだ楽しめる。
1972年
雨が多く日照不足の夏で不作。
1973年 ★★★
当たり年といえそうな、かなり良好な品質の収穫。ほとんどは、くたびれてしっまているが、上物のシャンパンはいまだに美味しく飲める。驚かされるような例外品は別として、飲み切ったほうが良い。
1974年 ★
むずかしい気象状態。ワインの品質はバラバラ。最上物は悪くはないが、全体としてヴィンテージ・シャンパンにする水準に達していない。完全な状態で保存されているもの以外は、敬遠したほうが良い。
1975年 ★★★
ワインは、やや酸味が強いきらいはあるが、バランスが良くとれていて丸みがある。果実味と風味に溢れている。
ボランジェ・ブリュット、ランソン・レッド・ラベル、ポール・ロジェ・キュベ・ウィンストン・チャーチルのような素敵なシャンパンは、まさに飲みごろか、飲みごろを過ぎようとしている。
1976年 ★★★★
当たり年のひとつ。しっかりしていて、構成も良いワイン。上物はまだまだ楽しめる。クリュッグ、ドン・ペリニョンは評判を裏切らないし、まだ10年は大丈夫。クラシックなポール・ロジェやモエ・シャンドンはまさに飲み頃。
1977年
飲んでしっまたほうが良い。唯一77年で市場に出たヴィンテージ・シャンパンはロデレール・クリスタル・ブリュット。
1978年 ★★
凶作。非常に少ない収穫量。飲んでしまう事。
1979年 ★★★★
酸味がしっかりしていて、スタイルの良いワイン。長もちする。1979年のような作柄が良くしっかりしたヴィンテ-ジ・ワインは12年が飲みごろになるための貯蔵時期。
1980年 ★
クリュッグ社を含むほんの数社だけが当たり年宣言をして、快適なワインを造った。しかし全体として見ればヴィンテージ・シャンパンはごくわずか。
1981年 ★★★
ワインのほとんどはブレンド用に使われた。しかし、この年のヴィンテージものの多くは、しっかりしたところと洗練さを兼ね備えていて、長もちする。クリュッグやロデレール社のクリスタル・ブリュットは今でも持つ。
1982年 ★★★★
あらゆる点で成功した年。この年のものが市場に登場したときは見事だった。エレガントで魅力的なワインが出来た年でヴィンテージものにふさわしい。上物は壜熟で向上する。
今、どれを飲んでも美味しい。しかし、たくましいタイプのものはさらに寝かせておける。ドン・ペリニョン、クリュッグ、ポール・ロジェ・キュヴェ・ウインストン・チャーチル、ロデレールなどは、今世紀になっても大丈夫。
1983年 ★★★
大体において快適で味わいも良く、バランスもとても良い。
個性が強く長もちするワインが若干できた。特にドン・ペリニョン、ヴーヴ・クリコ、それとシャルル・エード・シーク社の3銘柄、ブラン・デ・ミレネール、ブリュット、シャンパン・チャーリー。
1984年
ヴィンテージもののない年。
1985年 ★★★★★
果実味、アルコール、酸味の完璧なバランスのワインができた年。1980年代中期での最高年。ヴーヴ・クリコ社のラ・グランド・ダムとか、ロデレール社のブリュットやクリスタルなどのクラシック・ワインはまだ熟成を続ける。
1986年 ★★から★★★
まあまあの作柄。上物は寝かせておくとまだ良くなる。
1987年 ★
良いとは言えない年。ストックしておけば営業用には重宝なワインが出来た。
1988年 ★★★★
非常に良いシャンパンを生産できた年。安定した品質で今が飲みごろ。上物は寝かせておけば、もっと良くなる。
1989年 ★★★★★
とびきり上等の品質で多産の年。ぶどうの成育、ワイン醸造とも文句のつけようがない。「80年代の当たり年」である1982年産と競える年。15年から20年間熟成させても大丈夫。
1990年 ★★★★★
ほとんど大手名門(グラン・マーク)各社は1990年を「ヴィンテージ」と宣言。テタンジュ社のクロード社長は「45年間シャンパーニュに住んでいるが、こんな出来のいい年は初めてだ」と語っている。
1991年 ★★
ワインは軽く、酸味は低い。名門大手がヴィンテージものを造る作柄ではなかった。
1992年 ★★★★
生育期の気候は申し分のないものだった。ぶどうは、3種類とも健康で、完熟かつ多産。
1993年 ★
運悪く収穫期直前に雨が降り出し、絶えまなく続いたため、ヴィンテージものはなし。ノン・ヴィンテージはかなりの質。
1994年 ★★
この年の最大の難題は、フランスの他の地方と同じで、収穫期の降雨。当たり年の予想が覆された。ほどほどの品質のノン・ヴィンテージ・ワインは出来たが、ヴィンテージものは出来なかった。