1970年 ★★★

ピエモンテ:優秀なワインの大豊作だった年。

トスカーナ:良好な年。ブルネッロとヴィーノ・ノビレは卓越。

充分に熟成している。バローロの最高のものだけがもう少し持つ。それ以外のものは飲みきってしまったほうが良い。  

 



1971年 ★★★★★

ピエモンテ:バローロとバルバレスコにとっては、おそらく戦後最高の年。

トスカーナ:全体的に見てバラつきは、あるが非常に良好な年。

バローロとバルバレスコの上物は今がピークで、しばらくは飲める。ブルネッロのピークはまだこれから。キャンティ・クラシコの最上物は今が申し分ない状態だが、衰えはじめたものもある。サッシカイヤ、ティニャネッロ、ルベスコ・トルジャーノはどれもがとびきり上等で、充分に熟成している。 

 

 

1972年

ピエモンテ:災難な年。バローロもバルバレスコもDOCに格下げになった。もっと北のほうでは、まずまずから良好程度だったが、いずれにしても短命。

トスカーナ:春、夏を通してじめじめした天候で、再び不作の年。サッシカイヤだけが例外。

 

 

 

1973年 ★★★

ピエモンテ:品質にバラつきが出た年。まあ、良好といっても良い程度にすぎないが、ゲンメでは秀逸なものが若干でた。

トスカーナ:状況はピエモンテと似たり寄ったり。カルミニャーノではずば抜けたものがある。

 

 

 

1974年 ★★から★★★★

ピエモンテ:多産で長寿の素晴らしい年。

トスカーナ:若干の秀逸なキャンティ・ルフィーナ以外は出来が悪く、信頼できない年。

  

 

 

 1975年 ★から★★★

ピエモンテ:平凡な年だが、楽しめるワインも若干ある。

トスカーナ:かなり良い年。

 

 

 

1976年 ★

ピエモンテ:アスティとアルバでは品質にバラつきがあるが、 ノヴァーラとヴェルチェッリはとても良かった。

トスカーナ:悲惨な年。

 

 

 

1977年 ★から★★★

ピエモンテ:あまり良好でなかった年。

トスカーナ:暖かい春、雨の少ない夏のおかげで、ブルネッロとヴィーノ・ノヴィレは、非常に良いものができた年。

 

 

 

1978年 ★★★★★

ピエモンテ:全般的に見て1970年代で最高の年。

トスカーナ:赤はとびっきり上等、上物は今でも申し分ないが、まだもう少し持つだろう。

  

 

 

1979年 ★★★★

ピエモンテ:バローロとバルバレスコでは早熟の非常に良いワインが出来た。

トスカーナ:トスカーナでも品質が優良から秀逸までのぶどうが大量に収穫された。

キャンティは今がピーク。

 

 

 

1980年 ★

ピエモンテ:まあまあの年。

トスカーナ:全体としてぶどうは、よく熟し健全で、若干だが非常に良いワインが出来た年。

 

 

 

 

1981年 ★★★

ピエモンテ:バラつきのある、失望の年。最高の出来はバルバレスコ。

トスカーナ:暖かい春、雨の少ない夏のおかげで、ブルネッロとヴィーノ・ノヴィレは、非常に良いものができた年。  

 

 

 

1982年 ★★★★

ピエモンテ:収穫量は平年並み。ワインはリッチでよく熟成し味わい豊か。

トスカーナ:ワインの質はトスカーナ地方全体にどこも良好。極上のレゼルヴァは出色の年。 

 

 

 

 

1983年 ★★から★★★★

ピエモンテ:優れた生産者はぶどうを厳選して非常に良いワインを造った。そうした処以外は出来が悪いものが多い。

トスカーナ:もう飲みきってしまうこと。ただキャンティでも「ニューウェーブ」ものは、まだ楽しめる。   

 

 

 

1984年 ★★

ピエモンテ:シチリア、サルディニア、北ピエモンテを例外としてイタリア全土で不作。

トスカーナ:不作の年。

 

 


1985年 ★★★★★

ピエモンテ:イタリア全土でとびきりの当たり年。バローロは、大成功。色合いが深く、タンニンに富み、長寿のワインになった。

トスカーナ:ピエモンテをしのぐ出来。この年は、最高級のぶどう園のとびきりのワインが出来た。探し求めて、飲んでみる価値あり。 

 

 

 

1986年 ★★★★

ピエモンテ:1987年よりは、飲み良いワインが出来た良好な当たり年。そう長く置かないで飲み頃になる早熟なワイン。 

トスカーナ:この年は、フルーティで出来の良いキャンティがいくらか出来たが、リゼルヴァはごくわずか。ブルネッロとヴィーノ・ノービレは平均的な品質。

 

 

 

1987年 ★★から★★★

ピエモンテ:品質にバラつきがある。収穫量は平年並み。

トスカーナ:全般的に、軽く楽しめるワインだが、リゼルヴァ向きにはなりそうもない。

ほとんどの白は、すでに飲んでしまうべき。赤の極上もの以外は、すべて今が飲み頃。

 

 

 

1988年 ★★★★★

ピエモンテ:一般的にイタリアワインにとって秀逸な当たり年。収穫量は非常に少量 。バルバレスコは2020年、バローロとブルネッロ・ディ・モンタルチーノは2030年まで寝かせても大丈夫。

トスカーナ:キャンティとヴィーノ・ダ・ターヴォラの上物は今飲み頃。

 

 

 

1989年 ★から★★★★

ピエモンテ:ピエモンテ地方は大部分が悪天候を免れた。赤の上物は80年代最高の出来。

トスカーナ:地域によってまちまちの年。全体的に軽く早めに熟成している。

 

 

 

1990年 ★★★★★

ピエモンテ:バローロとバルバレスコは、ほぼ完璧とも言える気象条件になった年。充分熟成してバランスの良くとれたワインに成長しそう。バルバレスコは2010年頃、バローロの最上品は2010年から2020年過ぎまで持ちそう。

トスカーナ:まろやかなタンニンと充分な酸味を持ち、深い色合いの風味豊かな充実感のあるワインが出来た年。

 

 

 

1991年 ★

ピエモンテ:品質にはバラつきがあり、軽いワインが多い。

トスカーナ:品質にはバラつきがあり、生産量も平年以下。

 

 

 

1992年 ★★

ピエモンテ:早めに実るドルチェットは、ネッビオーロよりはるかにうまくいった。バローロとバルバレスコでは軽量で早飲みタイプのものだけが生産された。

トスカーナ:概してトスカーナは健全で早飲み向き。極上のワインも若干造られた。

 

 

 

1993年 ★から★★★

ピエモンテ:バローロとバルバレスコは非常に感じのいい果実味と果実香があり、1988年ものと特徴が似ている 。

トスカーナ:この年はピエモンテよりもトスカーナの方がうまくいった。品質は良好から優良まで。

 

 

 

1994年 ★★から★★★★

ピエモンテ:収穫はまあまあの条件で進み、結果は悪くなかった。量こそ減少したがミディアムボディのワインができた。

トスカーナ:キャンティ・クラシコはリゼルヴァ・ワインが大量に出来て最高の結果 となった。

モンテプルチアーノやモンタルチーノは、個性が良く出て密度が高いビッグなワインが出来た。カベルネ・ベースのヴィーノ・ダ・ターヴォラだけでなく稀少品のメルロ・ベースのワインにも気象条件は理想的だった。バローロとバルバレスコにとっては、大した当たり年でなかった。