1970年 赤:★★★から☆   白:★★★
南部は秀逸年。北部も優れた年。長期熟成能力をもつワインを作った年。ローヌ全域が、豊潤でバランスのとれたワインが作られた年。

 

 

 1971年 赤:★★★★から☆   白:★★★
秀逸年。コート・ロチは大物で、長期熟成能力をもつフルボディのワインを作った。エルミタ-ジュは軽いが調和がとれ、魅力的。南部も良い出来だが、酸度が低く、北部のものほど長くはもたないだろう。赤は魅力的、今まさに完熟。

 

 

 

 1972年 赤:★から★★★★   白:★★★
コート・ロチは失望もの。ワインは酸味が強くて、かたい。コルナスとエルミタージュはコート・ロチよりも良好、ここでは、収穫量が少なかったので、色と風味が良くなった。シャトーヌフの中には魅力的なものもある。

 

 

 

1973年 赤:★から★★★   白:
この地方全体に9月上旬に降った豪雨が、多量の収穫をもたらした。コート・ロチは良い色にしあがったが、やや軽さが目立つ。上物もこの年は、早めに飲んだ方が良い。エルミタージュは一部が雹(ひょう)害に見舞われたが、それでも、赤と白ともに長期熟成向きのワインとなった。南部では、ワインは軽く、酸味が少ない。飲んでしまうこと。 

 

 

 

1974年 赤:★から★★★   白:
ローヌ全域で2度目の量産年。南部では秋の初めに降った雨で、ぶどうが水っぽくなった。全体的に見て、良くも悪くもない年。伝統的な手法で造るエルミタージュとシャトーヌフの最上品は、10年くらいの寿命をもつ。飲んでしまうこと。 

 

 

 

 

1975年 赤:★から★★   白:
北部、南部ともに不作の年。南部では8月の雨が、例年よりも早く熟したぶどうに壊滅的な打撃を与えた。ただ遅熟のぶどうは難を逃れた。やせて苦渋味の出るワインで、果実味やコクも不足している。長くもたない。 

 

 

 

1976年 赤:★★から★★★★   白:★★★
暑く乾燥した夏。北部、特にコルナス、エルミタージュ、コ-ト・ロチでは良く熟成し濃度の高いワインが出来た。難を言えば、白は酸味に欠け、品質にバラつきがある。南部も似たような気象条件で、初めは、当たり年と思っていたが、9月下旬の収穫期に雨に見舞われ、望みはあえなく消えた。ここでも良いワインが造られたが、長期熟成向きでない。コート・ロチとエルミタージュの最上物は今がピーク。白はどれも盛りを過ぎている。 

 

 

 

1977年 赤:★から★★   白:★
北部は不作(気象条件が要因)。やせて酸味の目立つ、熟成度の不足したワインになった。南部では9月、10月に天候が回復、晴天が続いたため、軽めだが魅力的なワインを造れた。早く飲んでしまうこと。

 

 

 

1978年 赤:★★★★★   白:★★★★★
大変悪い条件が重なり、生産者にとって頭が痛かった年。それでも素晴らしい結果になった。1911年以来の最高年。ローヌ全体で、赤はどれも大物で、しっかりしたタンニン、豊潤で、長期熟成に耐える酸を備えている。白はいまだに最高の状態。驚く程秀逸な赤は、果実味、エキス、アルコールがしっかりと包こまれていてとてもおいしい。エルミタージュとコート・ロチの最上物は20年から40年の寿命。白は完熟している。

 

 

 

 

1979年 赤:★★から★★★★   白:★★★
順調な天気に恵まれ質の高いワイン。北部では6月下旬まで気温は低かったが、その後は乾燥し、日照にも恵まれた。この好条件は9月下旬の収穫期まで続き、コート・ロチでは豊かな収穫量。一方、エルミタージュ一帯では雨のため収穫は10月8日まで遅れた。南部は良好年。全体的に見て、ほどほどに良い年。

 

 

 

 

1980年 赤:★★から★★★   白:★★
北部では、この年、春と開花期が悪天候続きで、幸先のよくないスタートを切った。結果として開花も悪く収穫量も低かった。

 

 

 

 

1981年 赤:★★   白:★★
北部では開花期と収穫期に雨に見舞われ、かなり混乱した年。それでも良いワインが出来たところもあり、ことにコート・ロチがそうだった。まあまあの年。しかし、シャトー・ヌフ・デュ・パープは豊潤で濃密。エルミタージュはほぼ完熟。コート・ロチは特上ものは飲みごろ。

 

 

 

 

1982年 赤:★★★★   白:★★★★
非常に多産な年。こうした年は、品質にバラつきが出るものだが、この年の上物は秀逸。赤は、一番良く、ほとんどがおいしく飲め2000年初頭頃までもつでしょう。白は、飲みきってしまうこと。

 

 

 

 

1983年 赤:★★★★★   白:★★★
北部、南部とも赤は、秀逸。豊潤で、濃密、タンニンが堅かったが、これは熟成するにつれてやわらかくなった。シャトー・ヌフ・デュ・パープは今や熟成、飲みごろになった。エルミタージュとコート・ロチは2000年初頭まで。白は、早く飲んでしまうこと。

 

 

 

 

 1984年 赤:★★   白:★
収穫量は少なく、品質はまあまあ。全体的に見て長期熟成向きではないが、白とほとんどの赤は早く飲んだほうが良い。エルミタージュとコート・ロチの上物は2000年まで熟成しつづける。

 

 

 


1985年 赤:★★★★★   白:★★★★
傑出した赤。豊潤で長命。南部ローヌの赤は今が飲みごろ。シャトー.ヌフの最上物は、エルミタージュやコート・ロチと同様、今でも飲んでおいしいが2010年まで飲める。白は盛りを過ぎている。 

 

 

 

 

1986年 赤:★★から★★★★   白:★★★
コート・ロチからシャトー・ヌフにかけて良質、長期熟成向きでタンニンが多い赤が造られた。大半は、今が飲みごろ。だが、これからも熟成は進む。白は目下熟成完了。

 

 

 

1987年 赤:★から★★★   白:
コート・ロチはまもなく飲みごろ。その他の赤すべて飲んでしまうこと。白は飲んでしまうこと。 

 

 

 

1988年 赤:★★★★   白:★★★★
ローヌ川沿いの細長い地帯では作柄が非常に良い年。北部も優秀。最上の赤は今飲めるが2000年を越えても衰えない。北部のコンドリュー、南部のシャトー・ヌフの白は今が飲みごろ。エルミタージュの白は今世紀の終わりまで。 

 

 

 

 

1989年 赤:★★★★   白:★★★★★
コート・ロチは秀逸。シャトー・ヌフは豊潤で申し分がない。白の方は深みと味わいが良く出た。その他の地区の白は魅力的だが、酸味が低め。シャトー・ヌフは今飲み頃。

 

 

 

 

1990年 赤:★★★★★   白:★★★★
全体的に見て、1989年よりわずかに酸度が低い。特に南部。しかしタンニンはしっかりしていてアルコール度も高かった。これはワインが遅熟タイプで、将来が期待出来る力強さを備えていることを意味している。赤は北部、南部ともに頑強で、長期熟成向き。シャトーヌフの飲み頃は今から2000年を越えられる。エルミタージュは1998年から2020年まで。コート・ロチはさらに長命。白は早めに飲んでしまう事。

 

 

 

 

1991年 赤:★★   白:★★★
バラつきの多い年。シャトー・ヌフやその他の南部の赤は例年より軽く、もうすぐ飲み頃。エルミタージュやコート・ロチの赤は中距離ランナーといったところ。適度な酸味を持つ白は早く飲んでしまった方がよい。