日本酒と料理の相性をめぐる7つのセオリー
酒と料理の出会いによって生まれる味覚の世界は、日本酒のタイプや飲用温度、料理の素材や調理法などさまざまな要素の組み合わせによって無限に広がります。日本酒に含まれているいくつかの成分が、食品に対してどのような効果をもたらすのかを簡単に説明します。
まずは日本酒の水分。これは料理に含まれている塩分やアミノ酸の一部、スパイスなどの香りや味わいを薄めます。日本酒のアルコールは、ほとんどの油脂類に作用し、タンパク質成分をやわらげる効果があります。また、 日本酒の酸は料理の塩分をやわらかく感じさせ、日本酒の糖類は口中をなめらかにして酸味をやわらげます。このように日本酒が料理に与える影響はいろいろあります。ちなみに、酒と料理が口中で出会ったときに互いがうまい具合に共鳴し、単独には現わさなかった心地よい味わいが生まれることを「調和」といいます。逆に不快な香りや味わいが生じることを「反発」と表現し、特に際立った変化を示さない場合を「平行」といいます。